2011年11月28日
結婚ばしてくれんね
ーーー独立30周年を記念して綴っています。ーーー
薬物投与による延命治療が始まった。
夜は父と私が交代で看病。
4人部屋のベッドの横に布団を敷いて、いつでも対応できるように泊まり込んでいた。
私が眠り込むときがあるので私の手首に紐を巻き、用があるときは母がその紐を引っ張って起こしてもらうことに。
母は愚痴一つこぼさず病気のことも全く聞こうとしなかった。
病室に行くと柔かくにっこりほほ笑んで言葉はあまりない。
私も、癌のことは知らせていないので話題を選びながらの、ポツリポツリの会話をした。
しかし、同じ部屋で癌の手術をして治療を受けている人がいたので、おそらく感じていたのだろう。
少ない会話の中で、母は私に「うちが生きとる間に結婚ばしてくれんね」と何度も繰り返し言った。
優しい看護婦さんがいると「あがん人の嫁さんに来てくれたらよかね」と。
私は「またそれを言う。もう聞き飽きたばい」とつっけんどんに言い放った。
しかし、内心では何とかできればと思ってはいた。
【職人の営業奮戦記】(2)
・・・家族・・・3
薬物投与による延命治療が始まった。
夜は父と私が交代で看病。
4人部屋のベッドの横に布団を敷いて、いつでも対応できるように泊まり込んでいた。
私が眠り込むときがあるので私の手首に紐を巻き、用があるときは母がその紐を引っ張って起こしてもらうことに。
母は愚痴一つこぼさず病気のことも全く聞こうとしなかった。
病室に行くと柔かくにっこりほほ笑んで言葉はあまりない。
私も、癌のことは知らせていないので話題を選びながらの、ポツリポツリの会話をした。
しかし、同じ部屋で癌の手術をして治療を受けている人がいたので、おそらく感じていたのだろう。
少ない会話の中で、母は私に「うちが生きとる間に結婚ばしてくれんね」と何度も繰り返し言った。
優しい看護婦さんがいると「あがん人の嫁さんに来てくれたらよかね」と。
私は「またそれを言う。もう聞き飽きたばい」とつっけんどんに言い放った。
しかし、内心では何とかできればと思ってはいた。
Posted by 青風 at 13:22│Comments(0)
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