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Posted by さがファンブログ事務局 at

2009年06月26日

独学の薦め

陶芸の先生に師事したり、学校へ行ったわけではなく独学で、作品創りすべての工程をやっています。

本を読んだくらいでは、何の世界でもお金を戴くまでには難しいと思います。

私も例外ではありません。

販売で独立し、他の窯元の商品を仕入れて売りながら、時間をかけて修行しました。

しかし、素人だったからこそ出来たことも色々とあります。

先生の下ではこんなことをやったら怒られるだろうことも、今思い返すとやってきました。

実はそれが良かったのです。  


Posted by 青風 at 20:19Comments(2)独学秘話

2009年07月01日

独学秘話(1)

自分ではまだ焼くことも出来ないのに、いきなり陶芸窯(電気炉)を購入しました。

周りから見れば、無謀というよりバカにしたまなざしで見られていたようです。

私にとっては、業者さんが窯を納入する時、ためし焼をしてくれるので、それが唯一の頼りです。

業者の方も私がまったくのど素人は思ってもいなかったでしょう。

しかし、なんとかなると変な自信がありました。


これが陶芸の勉強を始めて数年後に買った窯で今でも現役です。


窯の中です。



  


Posted by 青風 at 07:02Comments(0)独学秘話

2009年07月02日

独学秘話(2)

業者の方が、窯の扱い方・手順を私に教えながらお茶碗などを窯にいれて焼いてくれて、見事に伊万里の白い肌の茶碗が焼きあがりました。

よし、これだったら私にも出来る。簡単!簡単!と心が躍り、早く自分の作品を焼いてみたいと、昼も夜も無く寸暇を惜しんで作品作りです。

何せ作品作りも素人ですから、すべてが手探り状態で時間がいくらあっても足りません。  


Posted by 青風 at 07:13Comments(0)独学秘話

2009年07月03日

独学秘話(3)

玉を丸め、穴を開け、形を整え、天日で乾かし、海綿で水ぶきして形を再び整え、素焼きをし、釉薬をかけて、本焼き。

本焼きには、酸化焼成と還元焼成があります。

酸化焼成とは文字通り、窯の中に空気を十分に入れて焼く方法で、磁器の場合鉄分の酸化により、わずかに黄ばんだ感じになります。

酸化焼成は単に温度さえ上げればいいので簡単です。


還元焼成とは窯の中の酸素を抜いて焼く方法で、うまく還元がかかれば美しい白い肌に焼きあがります。

酸素を抜く方法はいくつかあるのですが、私の窯(電気炉)の場合は、不完全燃焼のガスの炎を窯の中に入れて、窯内の酸素を燃やすことで、酸欠状態を作ります。


これが、不完全燃焼のガスで、この炎を穴から窯の中に入れてやります。

この理論は本に書いてあるのですが、これが難しい。(難しいを何乗もしていいくらいです)

今でも失敗するときがあります。

何せ、同じ窯の中の場所によって変わりますので、厄介です。

窯には癖がありますので、その癖を見分けなければなりません。

  


Posted by 青風 at 07:03Comments(0)独学秘話

2009年07月04日

独学秘話(4)

酸化焼成が簡単と言うことで、先ずは黒の玉を100個ほど作り焼いてみました。

作品の窯詰めから窯出しまで3日。

冷ます時間を十分にかけなければ割れると、本に書いてありましたのでその通りにして、いざ窯の蓋を開ける時です。

このときはどのように焼けているか期待と不安でいっぱい。

開けてびっくり!!

半分以上の玉が真っ二つに割れているではありませんか。

出している途中でも割れるし、出してしまって少したたいてみたら、また割れて、残ったのは10個くらい。

ショックでした。

  


Posted by 青風 at 06:50Comments(0)独学秘話

2009年07月06日

独学秘話(5)

100個作って残ったのが10個ではどうしようもありません。

なぜそうなったかが問題ないんですが、私としては本に書いてある通りにやったつもりなので、原因が分からないのです。

そこで、知り合いの窯元に行って、割れたのを見せたら、「釉薬の厚かとたい」と一発回答です。

「ハハハ・・」と笑うしかありませんでした。


釉薬の濃度は教科書どおりにやったつもりが、厚くかかってしまったなぜか?

繰り返しやっているうちに、分かってきました。

濃度は同じでも、素焼きした作品を釉薬の中に浸けている時間が違うと厚さが変わってくること、もう一つは、釉薬に浸けた作品を引き上げる時のスピードで変わってくることも分かりました。

表面張力の関係です。

これはかなり経ってから分かったことですが、その日の湿度でも微妙に変わります。


黒の釉薬をかけているところです。



  


Posted by 青風 at 09:13Comments(0)独学秘話

2009年07月07日

独学秘話(6)

釉薬は厚すぎると割れる。

薄すぎると色がうまく出ない。

ちょうど良い厚さが求められる。

学校や誰かに師事していれば、おそらくこの辺のことは教えてもらえると思う。

私にはそれでは面白くないのです。

自分で何とかしたいのです。

その失敗が楽しいのです。

なぜなら、成功したときの達成感の喜びはなんとも言えず心地いいし爽快だから。

知らなければ知らないほど何回も味わえるのだからたまりません。

私は山登りは数回しか経験がありませんが、山頂にたどり着いたときの爽快感と似ていると思う。

  


Posted by 青風 at 07:07Comments(0)独学秘話

2009年07月08日

独学秘話(7)

酸化焼成はなんとか半年くらいで出来るようになりました。

次は還元焼成です。(窯の中の酸素を抜いて焼く方法)

伊万里焼の白い肌はこの還元焼成で焼かれています。

実はこれが難しいのです。

最初に買った窯(電気炉)は初心者と言うことで、小さな窯を入れたのですが、本格的に陶芸をするには小さすぎました。

一度に焼ける作品の量が少ないのも問題だったのですが、もっと、重要なことは、小さいがゆえに窯の中の変化が敏感で、かえって難しかったのです。

私の窯の還元焼成は、不完全燃焼のガスを入れて酸素を抜くのですが、小さければ小さいほどほんの少しの変化に反応します。

例えば、ガスを入れる穴からほんの少し風が入っても、中の作品が還元がかからなかったりします。

また、煙や炎を抜く穴が少し大きかったり小さかったりでも、焼き上がりが変わってきます。

窯の中の作品を置いた場所でも違います。


これほど、複雑で微妙ですから、私のような素人に最初から出来るはずがありません。

これからが、また、楽しい苦労が始まります。

----------------苦労もまた楽し-----------------


手前が最初に買った小さな窯で、奥が数年後に買った窯です。
両方とも現役です。


  


Posted by 青風 at 07:08Comments(0)独学秘話

2009年07月09日

独学秘話(8)

1年くらい還元焼成を繰りかえし焼いていたら、完成品が70~80%くらいの確立で出来るようになり、平行して勉強していた、下絵付け(本焼きの前に素焼きした生地に呉須で描く)と上絵付けも、少しずつ上達してきました。

自分で言うのもおかしいのですが、けっこう上達が早かったと思います。

好きなことはどんなことでも苦労と思わないから、とにかく時間を忘れてやっていました。

このころ、友達が私の作品を見て「本当にお前が作っているのか?」と良く冷やかされ「本当さ」「俺は小学校のとき図工の成績は⑤やったけんね」と笑っていました。

  


Posted by 青風 at 06:59Comments(0)独学秘話

2009年07月10日

独学秘話(9)

このころ以前「オリジナル技法秘話」で書いた「金彩貫入」が誕生しました。

素人だからプロがやらない方法を自由にやっていたので、その中で偶然生じた現象を、一つの焼成方法として完成させたのです。

もう一つのオリジナル技法、名づけて「全面仕上げ」も完成させています。

通常焼き物は底の部分や淵の部分にザラザラしたところがあります。

その部分を無くす焼成方法を生み出したのです。

焼成方法は繰り返し繰り返し焼くことで、問題を解決していきました。


ところで、そこまでして何故アクセサリー・ジュエリーなのかです。

これについてこれから記していきたいと思います。  


Posted by 青風 at 07:09Comments(0)独学秘話

2023年08月30日

伊万里ケーブルテレビ取材 ユーチューブにアップ

先日、伊万里ケーブルテレビさんから取材を受けた動画をユーチューブにあげました。55いまり・HOTアイ「令和版窯元巡り」で放映されたものです。

実は、先に投稿したファッションブランド「光をまとう」のボタン制作の件で取材を受けていたのですが、その件に加えて私がつい「陶芸宝飾の世界創造」を熱く語ったものですから、担当の方が「立川さんこっちの方が面白いです」となって、ボタン制作はつかみの映像になりました。(^▽^)/

ご覧になっていただければわかりますが、これまで企業秘密にしてきた40年前に私が開発したオリジナルの焼成方法を明かしてます。その理由も語ってますのでよかったらご覧ください。


実は、この動画は、営利的要素が含まれている動画のためケーブルテレビさんではユーチューブにあげることはできないらしく、私が権利を取得しました。そのうえでオープニングとエンディング部分を私が継ぎ足しています。