› 立川青風 ブログ › ●PTA奮戦記【いじめについて】

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Posted by さがファンブログ事務局 at

2012年07月16日

いじめは大人の責任

【PTA奮戦記】№1

久しぶりの投稿です。
大人の側があまりにも無責任なので体験談を再び書くことにします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

滋賀県大津市の中学校二年生が、いじめが原因で自殺をするという痛ましい事件が起きてしまった。マスコミ等で大きく取り上げられ、学校・教育委員会などの対応が悪かったのが大きな問題として報道されている。

私は二人の子供が学校に通っていた平成2年から平成16年の14年間の中で、13年間PTAの役員をさせて頂き、さまざまな出来事に直面してきた。

その中で、今回の事件で明らかになってきている、学校や教育委員会の問題点も目の当たりにしてきたので「まだぜんぜん変わっていないのか」と怒りさえ覚える。

そかし、その怒りは学校と教育委員会だけにではない。私を含めた大人にだ。

誰かを責めるのは簡単だが、それでは物事は解決しない。大人も子供も本気にならないと平和な学校は守れない。
いじめはどこにでもあるし、無くなることはないと認識したうえで大人の側が出来るだけ小さな芽のうちに発見し対応しなければならない。

13年間のPTA活動の中で、大津市の中学校と同じような背景があった中学校のPTA会長を務めさせていただき、色々な経験や取り組みをしてきたのでその体験談を書かせていただく。
  


2012年07月17日

トイレでカレーライスを食べる

【PTA奮戦記】№2

コメント頂きましてありがとうございます。
自由に書いていただき問題を共有する人が一人でも多くなれば幸いです。
ただ、お一人お一人に対する私のコメントは控えさせて頂きます。
私の経験談でコメントに代えさせて頂きたいと思いますので失礼をお許しください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

I小学校のPTA(育友会)の会長をしていたころ、ほとんどの児童が進むK中学校は、県内一荒れている中学校と噂されていた。荒れているのは事実だったが県内一かどうかは分からない。とかく、自分の学校よりも他の学校が悪いと言いがちだからだ。そのように言うことによって、自分たちが安心するようだ。
それはともかく、当時小学校の保護者の間で言われていたことは「あの中学校には子供はやりたくないね」「でもしょうがないもんね」と言う話が日常会話の中に出ていた。現にそれが原因で他校に進学させた保護者もいた。

これは当時中学校の保護者から聞いた話だが、ある学年では授業ボイコット者が十数名いて、授業中に校内をうろうろと歩き回りトイレでタバコを平然と吸う。給食がカレーライスなどの時はビニールの袋にカレーライスを入れてトイレに行き手づかみで食べてみせる。真面目な子が勉強をしていると「なんばかっこう付けて勉強ばしよっとや」とすごんでみせる。などなど・・・教育現場とは程遠い現状だったようだ。
学校側もそれなりに努力はしてくれていると、当時にPTA役員から聞いていた。そして、PTAでも授業中に保護者が校内に入って指導もしていた。しかし、一向に荒れは収まらなかった。

そのような中で、私がある事件にかかわることになった。
夏休みのある日「近所の広場で一人の生徒が数人の生徒にいじめられている」「もしかしたらゆすられているかも知れない」と私の家に近所の人から一本の電話がかかった。私はちょうど出張中で家に居なかったので家内が対応した。家内はすぐに現場に駆け付け「なんかあったとね」と恐る恐るきいたが「なんもなか」と生徒たちはその場を去った。

翌日出張から戻り、家内から詳しく話を聞き、早速学校に報告に行った。ちょうど校長先生がいたので直接話しをさせてもらった。じっくりと聴いて頂き、丁寧にお礼を言われたので、なんとかしていただけるだろうとホッとして戻った。

長男が中学校に通っていて、あくる日がちょうど全校登校日だった。学校から帰って来た息子が「担任の先生から『昨日件は解決した』と、お父さんに伝えてくれて言われたばい」と。一瞬何を言っているのだろうと理解できなかったが、すぐに昨日校長先生に報告に行ったいじめの件だろうと思い「そうや分かったありがとう」と、息子とは離れた。

内心では「何を言っているんだ」「こんなに大事なことを子供にことづけるなんて」「ましてや、そんなに簡単に解決する訳が無いだろう」と怒りが込み上げてきた。
しかし、その時はそれ以上深くかかわることはなかった。

ところが、二学期が始まって間もなく中学校で事件が起き警察が入り逮捕者を出した。それを聞いたとき私は怒りで震えが止まらなかった。「なにが解決しただ・・・ふざけるな」という思いだ。
  


2012年07月18日

生徒に良いところが無い!!??

【PTA奮戦記】№3

事件の数日後、中学校のある役員から私に電話があり「立川さんどがんかして」と悲痛な声で言ってきた。
そして、事件の件でPTA役員会を開くので、私にも出席してほしいと言うのだ。その時私は小学校の役員だったので、出席するに当たっては会長の了解を得てからもう一度電話を下さいと受話器を置いた。翌日、了解が取れ出席依頼が改めてあったので了解した。

役員会当日、さすがに保護者も関心が高くほとんどの役員が出席していた。儀礼的な会長の挨拶、校長の挨拶があり、担当の先生から、逮捕された子供に気を使いながら事件の報告がされ、合わせて学校の現状を少し詳しく報告してくれた。

しかし、その内容はとにかく生徒が悪い、生徒が悪くて手の打ちようがないと言うものだった。
あまりにも生徒が悪いという話ばかりだったので、私は発言の許可を得て、「確かに生徒は悪いと思います。しかし、子供たちには必ず良いところがあるはずですから、その良いところを見つけてやってそれを少しでも伸ばすような教育指導をして頂けないでしょうか」と発言した。

すると、担当の先生から耳を疑う発言があった。「良いところがないんですよね」と。

会場が少しざわついた。その発言に対し他の先生からは何の付け加えもなかった。校長先生はじめすべての先生がそう持っているのだと理解せざるを得なかった。

もうひとつこの会議で不信に思っていたことは、私が報告した夏休み起きていたいじめの件は一言も触れられなかったことだ。
私の中でまた、怒りが爆発しそうだったがグッとこらえた。

しかし、心ではある決心をしていた。

役員の中からその発言に対して、いくつかの異論が出ていたが、私の頭の中はその決心のことで、その後の話はあまり覚えていない。
役員会は終わり、いつものように下駄箱会議が耳を横切った。「先生があんなんじゃどうしようもないね」「ほんとはがいかね」・・・・不満が爆発していた。

翌日私は誰に相談することもなく一人で市の教育長を訪ね、夏休みあった事件から昨日の役員会の出来事、現在の中学校の現状と保護者の思いなどを詳しく説明し聞いてもらった。
そして「良いところを見つけて伸ばしてやるのが教育ではないのか」と強く訴えた。教育長は真剣に話を聞いてくれた。

あくる日、中学校の校長先生から電話があり、教育長から校長に対し強い指導があったことを告げられた。そして今後色々な対処をしていくことを約束してくれたので経過を待ち見守ることにした。

しかし、待っても待っても何の対応もされないまま4カ月になろうとしていた。私は、しびれを切らし今度は教育長に手紙を書いた。
  


2012年07月19日

緊急事態に先生は居眠り

【PTA奮戦記】№4

これは教育長に宛てた手紙です。
当人しか分からない部分があると思いますが、原文そのままを載せています。


○○市教育長
○○ 様
                                           I小学校
                                  育友会長   立川荒雄
ーーーーーK中学校の件についてーーーーー

 いつもお世話になりありがとうございます。

 さて、先に私が中学校の件でご報告とお願いをさせていただきましたが、その後の経過について、現場からの報告をさせていただきます。

 教育長さんが校長先生に私が申し上げた件について、ご指導下さった日に校長先生から私の方に電話がありました。

 内容をかいつまんで申しますと、教育長さんから、地区懇談会でも開催したらどうかという指導を受けて来たと申されていました。

 ただし、それをする時間が無いので、臨時総会を開催しようと思っているが、どうでしょうかと私に質問をされました。
私は、先生がそれで良いと思われるのであれば、それで結構です。ただ、○○地区に関しては、地区長さんぐらいには、説明が必要ではないでしょうかとお答えしました。

 その結果ですが、未だに総会はありません。そして、○○地区に説明もあっていないようです。

 11月24日の中学校の役員会(校長先生は欠席)のおりに、PTA会長のIさんが、臨時総会を開こうと提案をされたそうですが、「今さら遅い、タイミングが悪い」という役員の反対により中止になったようです。
 私も、この判断は正しいと思います。まさしくタイミングを逃してしまいました。

 他の件ですが、11月16日には中学校で教育講演会が開催されました。これは、PTAの研修委員会が企画されたようです。

 虹の松原学園の○○先生の実体験に基づいた、子供と向き合い必死でやれば心は必ず通じるというお話で、100名以上参加していた保護者は大変感動して聞いていました。

 しかし、非常に残念だった事に、そこに参加していた中学校の先生3名が居眠りをされていたことです。
先生・保護者が一体となって取り組まなければいけない緊急事態に、、このように他人事のような一部の先生の姿を見ていると、教育者とは何だろうと疑問を持ってしまいました。
このことは、参加していた多くの保護者が目撃しており、先生方に対する不信感がますます大きくなったようです。

 話は変わりますが、逮捕事件後、青少年育成町民会議・生きる力を育む行動委員会と2回の会議の折に、校長先生から今回の事件についての説明がありましたが、2回とも、9月に入って初めて気付いたと報告されました。

 事件直後に開催された学校の役員会のおりに、私が、16日の件は皆さんの前で報告いたしました。それに対して校長先生は否定されませんでした。
その後の2つの会議で、私が出席しているにも関わらず、嘘の報告をなさるということはどのように理解すればよいのでしょうか。
 子ども達には嘘はいけないと指導されていると思うのですが・・・。

 子ども達の荒れる要因の中で、大人達の矛盾した行動や発言が大きな部分を占めていると私は考えています。

 現在のK中学校では、大人の私たちでさえ学校に対して矛盾を感じ、反発心さえある現状で、いっしょに子ども達を育てていこうとしても無理な部分があります。

 先に報告しました部活動の指導方法の件・今回の先生方の居眠りの件・校長先生の嘘の発言などを見ると子ども達を攻める前に姿勢を正すべきは、大人の側だと思います。
特にK中学校の場合は、まず先生方にお願いすべきと考えます。

 先日、教員OBの方からこんな話を聞かされました。
「立川さんは勇気があるね」と。「どうしてですか」と尋ねましたら「ある意味で学校には人質を捕られているようなものですよ」と・・・・・・・。

私はこの言葉をどのように理解したらいいのでしょうか。
でも負けません。

以上、長くなりましたが、教育長さんの適切なご処置をお願い申しあげます。

 これからますます寒くなると思います。
お体くれぐれもご自愛下さいますよう心からお祈り申し上げます。 
  


2012年07月20日

小学校で万引・喫煙発覚

【PTA奮戦記】№5
   
ーーー いじめをどう防ぐ ーーー


先の手紙は当事者しか分からない部分があるが、学校の対応のまずさを指摘させていただき、なおかつ教育委員会も学校に対し指導したきり、その後のフォローは全くなかったということを気付いて頂くためにあえて手紙を書いた。

この手紙を書いた二日後には教育長から、再度指導したと返事の手紙が届いた。しかしその後中学校からの連絡も、教育委員会からの連絡もなかった。
警察が介入して逮捕者を出したので、生徒たちも表向きはおとなしくなっているようにも見えた。

私は小学校の会長を仰せつかっていたのでそれ以上中学校には深くは関われなかった。


当時のI小学校はPTAの役員さんはじめ保護者の皆さんも、先生方も非常に熱心に学校教育に取り組んでくれていたので、問題が少なくPTA活動も楽しくでき自慢できる素晴らしい学校だった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
(以下は育友会新聞の原稿です。)


九P会長・団体表彰を受けて

                          I小学校
                          育友会長   立川荒雄

                    子ども達に感謝

先日の体育大会で、子ども達に育友会から御礼を言わせてもらいました。I小学校では、いじめがありません、挨拶をよくしてくれます、ハンディを持った子ども達ともとても仲がよく、心が豊かです。また体育大会は、六年生を中心に実行委員会を作り子ども達が自主的に運営しています。これらのことが認められたのだと報告しました。
 マスコミなどによりますと、PTA活動が最近形骸化されていると、よく言われていますが、I小学校では諸先輩の意志を引き継ぎ、保護者と先生との間も違和感がほとんどなく、色々な問題に対してもお互いが対等な立場で話し合いながら、解決しています。表彰を期になおいっそう楽しく活動していきたいと思います。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

しかし、当たり前のことだが全く問題が無かったわけではない。

先に書いたようにいかに小さい芽のうちに摘み取るのが大事だとういう認識が、みんなに行きわたっていたので、小さな問題に対してそれぞれの立場で対応し行動していた。
その中で私の立場で行動したしたことをいくつか紹介させていただく。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(これはちょうど私が教育委員会に抗議をしていた時期に保護者に出した連絡です。)

                                         平成10年12月3日
会員各位
                                      I小学校
                                      育友会長   立川荒雄
                     緊 急 連 絡
                 学級懇談会には全員参加で

 師走に入り、何かと忙しい日々が続いていることとお察し申し上げます。
日ごろの育友会活動に対しまして、ご協力ご理解を賜り心から感謝申し上げます。

 最近、K中学校が荒れていて非常に残念という声を多く聞きます。私自身もそれを感じております。
 そこで、色々と原因を探っていく中で、小学校の時からと言う指摘も受けております。
その指摘が、つい先頃事実として出てきました。

 万引きと、喫煙です。
 万引きに関しましては、昨年も報告を受けていましてが、集団でもなく、たまたまということでしたので、あまり大げさにするのもどうかと思い、育友会での取り組みは、ひかえていました。
 ただ先生方は、まず自分たちで何とかしてみるということで、放課後交代でパトロール等をしていただいておりました。しかし、残念なことに今年も発生しております。

 喫煙に関しましては、今年初めて報告を受けました。
 今は、まだ、ほんとに興味本位、遊びの中でと言う感じです。しかし、今その芽は摘むべきだと思います。
この件に関しましても、学校の先生方には適切な処置、指導をしていただいております。

 今後は、私たち保護者がどう対処するかです。決して今問題を起こしている子供と保護者だけの問題ではありません。自分の子供のことを知らないのかもしれません。

 そこで、皆さんにお願いです。
来る12月21日の授業参観ならびに学級懇談会には、全員参加を目標にし、自分の子供が学校でどのような生活をしているのか、自分の目で、耳で、確かめていただきたいと思います。

 なお6日にはバザーが実施されます。喫煙者の方には大変きついお願いですが、学校内での喫煙は出来るだけ遠慮していただけないでしょうか。もし、どうしても吸いたい方は携帯用灰皿をご持参していただけたらと思います。
 以上、ご連絡かたがたお願い申しあげます。
  


2012年07月21日

いじめが無いのが理想ではない、防ぐのが理想だ

【PTA奮戦記】№6

ーーー いじめをどう防ぐ ーーー

喫煙したり万引きしたりしている子供がいる学校を表彰するのかと、疑問を持つ方もいるかもしれない。しかし、600人を超える子供がいる学校ではさまざまの子がいる。すべてが良い子とうのはあり得ないのが現実だ。もし、うちの学校には一切ないと思っている人がいたら、それは見えていないだけだ。学校と保護者が一体となって取り組んでいてもこのような子供がいる。それだけ難しいということを知らなければならない。

実は、表彰を受ける前の年に私の子供はいじめで学校に行きたくないと言いだしていた。幸い自分から言い出したので詳しく聞いて見ると、大人の私から見ると「それくらいのことか」と言うくらい些細なことだった。しかし、本人にとっては重大な問題で心を痛め悩んでいたのだ。話をじっくり聞いてやりアドバイスをしながら学校へはなんとか通っているうちに解決していった。

友達から一度殴られたらしい。それが怖くて行きたくないと言い出したのだ。そこで私がまずアドバイスしたのは、もし今度殴られそうになったら相手がびっくりするくらいの大きな声を上げて逃げろと教えた。次に、私が柔道の経験があったので、ほんの少しだが柔道の技を教え、自分から技は絶対に掛けてはいけないが、相手がかかってきたらこうしろと1週間程度訓練をした。それでだんだん自信が付いて来たようだった。おそらくその自信のある態度が相手にも伝わって、手を出さなくなったのではないかと思う。一か月もしたら殴られた子と仲良く一緒に遊んでいる様子だった。

もちろんこのことは私の家族だけしか知らないこと。私の子供を知る人は、まさかあの子がと信じられないだろうと思う。親の私でさえまさかと思ったくらいだから。それくらいどこにでもある。おそらく、多くの保護者が経験していると思う。

いじめを定義づけるのは非常に難しい。100人いれば100の感じ方がある。本人がいじめられていると感じていれば、大人はそれを受け止めてやらなければならない。そして、100通りの方法で解決しなければならないのだ。
だから、多くの人が係わらないといけない。学校だけに任せても無理だ。

いじめや問題行動が無いのが理想ではない。あるのを防ぐのが理想だ。
  


2012年07月23日

教育委員会はいらない

【PTA奮戦記】№7

ーーーーいじめをどう防ぐーーーー

いじめで大きな事件にまで発展した学校で、最初に校長が言うことは「それまでいじめは確認できなかった」と言うことだ。しかし、後に「良く調べてみたらいじめはあっていた」と言うのがほとんどだ。学校の先生が全員知らなかった言うことはあり得ない。もし本当に気付かなかったとしたら先生の資格はない。

ただ、あのように言わざる得ない構図があると私は考える。教育委員会との関係だ。学校で問題が起こったことは、教育委員会に表向き逐一報告をしなければならないようになっている。従って、報告がなかった事案については双方何事もなかった事になる。公の場ではそうなるのだ。戸籍のない人間は本人が傍に居てもこの世に存在しないことになるのと同じだ。

それが学校評価につながってくる。先生方にとっては出世にも影響を及ぼすのだ。
もっと障害になっているのは報告の仕方だ。一つの事案を報告するのに大変な量の書類が必要で時間と労力がいる。他のさまざまな学校運営の妨げになるくらいに大変な作業になる。
学校評価とか出世など関係なく子供たちに本気で向き合っている先生たちにとっては、この部分が問題になるのだ。報告書で時間を割かれて子供たちに向き合う時間を取られるくらいなら報告をせずに済ました方が子供たちの為になるという判断がされるのだ。

教育委員会がそこまで詳しい報告書を求めるのは、一部の保護者対策・マスコミ対策の部分もある。何かあったとき自分たちはここまでやっているのだと証拠を残しておく必要があるのだ。
ここに悪循環が起きている。マスコミも一部の保護者も子供たちの為にと教育委員会や学校にちゃんと仕事をしろ、情報をオープンにしろと強く迫るが、その対策がこれだ。

過去の事例をストックしておいて、その後起きた出来事に対し、それをもとに解決策を取っていく為のものだけだったらそこまで詳細に書く必要はないのだ。

この悪循環を断ち切らなければならない。それが出来るのがPTAと私は考える。先生と保護者が本気で取り組めば学校運営に教育委員会は必要ない。各役所に教育課を作って事務的処理をしてくれれば十分だ。

ある校長先生がこんなことを言っていた。
教員が生徒の方を見なくて、教育委員会の方ばかり見ているのがいる。そういう教員が教育を曲げてしまっている。教員は教育委員会を見て仕事をしてはいけない。子供たちを見て仕事をすればいい。子供たちをしっかり育てていれば、保護者も何にも言わない。

まさにその通りで、言う必要がない。

言わずもがなだがPTAとはP:Parents(両親) T:Teacher(先生) A:Association(団体)の意だ。PTAは保護者の団体のように勘違いされる場合が多いが、ちゃんと先生も中に入っている。ただ、中心になるのは保護者だ。
  


2012年07月24日

大人もちゃんとやってよ

【PTA奮戦記】№8

ーーーーいじめをどう防ぐーーーー

(もうひとつの事例。夏休みに校長先生と教頭先生宛に出した手紙です。)
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                                平成9年8月1日
 ○○ 校長先生
 ○○ 教頭先生

 暑い日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか。

早速で申し訳ありませんが本題に入ります。お二人にお会いしてお話しした方が良かったのかもしれませんが、時間の都合あるいは文章の方が、意が通じることもあるかと思ってお手紙にさせていただきました。

育友会新聞で私の挨拶の最後に育友会に「何かありましたら気軽に声をかけて下さい」と書いていましたら数名の方からご意見がありましたので、ご報告と共に今後の対応をお願い申し上げます。

 (第1)私の文章の中で“子供たちが、挨拶が良くできるのは、先生方のおかげです”と言うところで「本当にそう思っているのですか」と質問されました。「はいそう思っています」とお答えしましたらその方は次のようなことを言われました。

これは自分のお子さんから聞かれたことだそうです。

新聞を読んで子供に「おまえはちゃんと挨拶してるか」と聞いたら「僕は挨拶しよっばってん先生の返事してくいらっさんもん」「そいけんあんまいしとうなか」と言ったそうです。

(第2)これは私が直接聞いたことです。この方は以前小学校の役員をされていた方で子供さんは大きくなられています。
最近挨拶してくれる子が少なくなったと言われました。そしてもう一つ挨拶はしてもちゃかしたような言葉をはいていく子が目立つとも言われました。

(第3)先の役員会の折りに給食のパンについて「あまりおいしくなくて、もよくかみ残さないで食べるように指導して下さい」とお願いしたのですが、ある保護者の方から「おいしくないから食べないのではなく時間がないから食べられないようですよ」というお話がありまた。

私はあまりよく理解できなかったのですが、それというのも校長先生はご存じのように、前回の給食運営委員会の折りには時間の問題は出なかったと思います。
 
そこで、自分の息子二人に聞いてみたのですが二人とも、おいしくないからではなくて時間がないから食べないときがあると言っておりました。それでもまだ信じられなくて他の保護者に尋ねたところ多くの人が、時間が足りないのだとおっしゃっていました。

このことを聞いていく中で意外なことが解ってきました。実は子供たちがパンを残すときは多くの場合授業が長引いて給食時間が削られているようです。また子供達が言うには「先生達は時間ば守れて言わすばってん自分たちも守らっさんもん」「授業の始まりなんかよう遅れてこらすばい」と不満げに言う子もいるそうです。
これらのことが事実なのか、あるいは事実としてどれくらいの頻度なのかは分かりません。特に子供をとおしてのことですから。                        

そこでとりあえず子供達の言葉が事実だと仮定したうえで、私なりの考えを述べさせていただきます。

第一の先生が挨拶を返してくれないという件ですが、そういう先生もいらっしゃるし、その先生にしてもたまたまそういうときもあったということだと私は信じています。
しかし、たった一人の人が、たった一言が、すべての印象を変えることがあります。

旅行に行った際に、最初に乗ったタクシーの運転手さんにとても親切にされると、その町全部の人が親切なように感じて「あの町は人が親切でとてもすばらしい町ですよ」となってしまいます。

第二の挨拶する子が少なくなった、或いはちゃかすようになったということは、ある意味で大人の側に大きな責任があると思います。社会背景が子供達から見ると大人が信じられない部分があまりにも多すぎます。親しく挨拶をしていい人なのかそうでないのかを子供達自身が判断しなければならない時代のようですが、これを子供達に求めるのは無理だと思います。

今子供達が判断して対応していることは、私の経験からして学校から遠くになるにつれて挨拶するのが少なくなっているように思われます。

ちゃかす言い方をするのは、マスメディアにおおいに責任があると思います。これは先生方も認識されているように、子供に人気のある番組は多くが人を馬鹿にしたような言い方をしています。だからといってこのマスメディアの流れを止めるのは難しいことですから、これについては子供達の判断力を付けさせなければいけないと思います。

第三の給食時間については、まるまる時間を使っても長いとはいえない時間のようですので、他の授業と同じように大事にしていただきたいと思います。

三つの件を総合的に考えてみますと、子供達の要望として先生達にも挨拶をしてもらいたい、時間を守ってもらいたいと訴えているのではないでしょうか、もちろんここでは学校生活の中での要望ですから先生にとなっていますが、これと同じことが家庭や社会でもいえると思います。

つまり大人の私たち全員に訴えていると理解すべきです。もう少し大きくとらえると、単に挨拶や時間の問題だけではないと思います。私たちが子供達に要求している多くのことについて「大人もちゃんとやってよ」と叫んでいるのではないでしょうか。

いじめが発生する大きな原因の一つとして子供達から見て大人に矛盾を感じたときと考えます。強い立場にある大人に直接訴えることが出来ずに、だんだんとストレスがたまり弱いものをいじめることによって発散するのではないでしょうか。
凶悪事件が低年齢化しているようですが、その要因の一つに矛盾を感じるようになる年齢が下がってきていることが挙げられると思います。頭の発達と心の発達のバランスがとれていないのだと思います。

いじめようとする子を押さえる対処療法よりいじめる必要のない環境づくりがもっとも大事だと考えます。

その為には大人が先ず基本的なルールを守るべきです。その基本的なルールを自らが守りながら子供の躾を最もしなければいけないのは保護者だと思います。

I小学校の保護者の皆さんは先の現地研究発表会でのアンケート調査で分かるように約63%の人が躾は家庭教育が第一と答えています。ちなみに学校にお願いしたいと答えた人は11%でした。また躾教育については96%の人がしていると答えています。にもかかわらず本当に旨くいっているかというと、方法が悪いのかなかなか難しいようです。

私の個人的な意見ですが、学校に通うようになってからは学校内で受ける影響がもっとも大きいのではないかと思います。現実的にみて子供が一日を過ごす時間は睡眠時間をのぞけば多くが学校生活です。その中で大人との関わりはほとんどが先生方です。そして、その先生は子供達にとって意識して学ばなければならない存在です。家庭や社会の教育は意識して学ぶ部分はとても少ないのではないしょうか。ですから先生方の影響力は大変大きいものがあると思います。

I小学校の場合保護者は、父母・祖父母合わせれば千人を超えると思います。その中には子供に躾をするのがいろいろな事情で難しい人もいるかもしれません。

そこで先生方にお願いです。教育者のプロとして私たち保護者も含めてリードしていただければと思います。これは決して何もかもお任せするというのではありません。躾は家庭ですべきと理解したうえで、その足りない部分を補っていただきたいと願っています。

私たち保護者は先生方がのびのびと教育をしていただけるような環境づくりを精一杯していきたいと思っています。

 慎重にご検討していただいた上でよりよい学校づくりの為に対応していただきますようお願い致します。

 最後になりましたがまだまだ暑い日が続きそうですのでくれぐれもお体ご自愛下さいますようお祈り申し上げます。
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校長先生からお礼の電話を頂き、2学期から改善された。
  


2012年07月25日

些細な出来事

【PTA奮戦記】№9

ーーーーいじめをどう防ぐーーーー

(もうひとつの手紙。これは先に出した校長先生の次に赴任されてこられた校長先生に宛てた手紙です。)

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                                         平成一〇年八月吉日
 ○○校長先生

  暑中お見舞い申しあげます。

 大変暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
高血圧には、夏の方がまだいいのですかね。お袋も大変な高血圧でしたがお袋の場合は、夏の方がまだましだと言っていたのを思い出します。

 先日は野球の応援本当に有り難うございました。子ども達は校長先生が応援に来てくれたと、大変感動していました。保護者も同様です。

 学校では子ども達がいつもお世話になり有り難うございます。
日ごろの先生方の大変なご努力により、すばらしい学校環境の中ですくすくと育っていることを心から感謝いたします。

 他校では、いじめ・不登校が未だに後をたたず、もっとひどいところでは、学級崩壊が起き授業そのものが成り立たないという情けない状況がある中で、伊万里小学校では、不登校すら一人もいないと言うことは、私たちの誇りであり、学校環境がいかにすばらしいかを実証していると思います。
 このことは校長先生をトップにしたすべての先生方のチームワークのたまものとお察しいたします。

 今年度の役員会、運営委員会の出席状況を見ていましても、例年よりも率が良いような気がしています。これは保護者の方々が学校を認めているからだと思います。

 ところで、一つだけ気になることがあります。
大変申しにくい事なのですが、校長室の衝立のことです。
廊下側から校長室に入ったとき、もう一枚カベがあり、何となく校長先生との距離感が感じられているようです。私のように、いつも学校に行き先生とお話をさせていただいているものには、それほど違和感は無いのですが、他の保護者の方達にしてみれば、普段でさえ校長先生という立場の人と話す事だけでも大変なようです。
 私が初めて小学校の役員をさせていただいたとき、確かに校長先生や教頭先生とは話し辛かった記憶があります。

 ほんとに些細なことですが、この些細なことから学校離れが始まるとしたら、あまりにももったいないと思います。

 校長先生からすれば、衝立のことくらいでと、お思いになられるかもしれませんが、私を初め保護者はそれくらいのレベルですのでお許し下さい。そして大きく私たちを包んで下さい。
勝手なお願いで申し訳ありませんが、ご高配いただければ幸いです。

 最後になりましが、まだまだ暑い日が続きそうですので、くれぐれもお体ご自愛下さいますよう心からお祈り申し上げます。

 ワープロでのお手紙で申し訳ありません。先生ご存じの通り、私の字はなかなか理解しづらいようですから・・・・。


                                                立川荒雄
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

二学期に入り校長先生に用があり、校長室に行くと、先生が片手を上げニコッとほほ笑んで「どうも」と、目線は以前あった衝立の方を見ていた。私も笑顔で「どうも」と挨拶し、衝立の話はすることもなく要件を済まして校長室を後にした。
  


2012年07月26日

子供の前で先生の悪口は言ったらだめ

【PTA奮戦記】№10

ーーーーいじめをどう防ぐーーーー

先の二つの手紙は、14年も15年も前のことだが、現在でも十分通用するように思える。そのことがかえって残念だ。

繰り返すが、いじめや問題行動はとにかく小さい芽のうちに摘み取るのが一番。

保護者や子供の意見を吸い上げ、確実にそれに応えることによって、保護者・先生・子供の信頼関係が構築される。PTAの役割はまさにそこにある。
もし現在PTAでコミュニケーションを図るためと称して、行事をたくさんする学校があるとしたら、行事は最小限の方がいい。先生たちにとっては時間がつぶされて迷惑されている場合が多い。保護者が企画を立てて自分たちですべてをこなすのであればまだいいのだが、企画を提案して後は先生にお任せと言うケースが多いのでなおさらだ。最小限にして中身の濃い行事をした方が最もいい。ただ、時代とともに少なすぎるようになっている学校もあるかもしれない。あくまでも適度に。

PTAのあるべき姿として、ぜひ取り組んで頂きたいことは、子供の前で先生の悪口を言わないようにして頂きたい。百害あって一利なしだ。

子供はよく先生の悪口を言って聞かせるが、話に乗って保護者も先生の悪口を言ってはいけない。話は十分に聞いてやって、そんなことがほんとにあるのかとまず確かめて、子供がいない場所で解決すべきだ。保護者が一緒になって先生の悪口を言っていると信頼関係が無くなってしまうので、勉強もしなくなってしまう。これが一番怖い。

保護者や子供たちの意見を集めるときは、会長に直接言ってもらうのではなく、保護者からなら、役員さんを通したほうがいい。その方が同じ問題を共有できるし解決した時は一緒に喜びあえる。満足度も高くなり他の保護者への影響力も大きい。
  


2012年07月27日

卒業式の祝辞

【PTA奮戦記】№11

ーーーーいじめをどう防ぐ----


小学校の役員も無事終わり、卒業式の祝辞を述べせていただきましたので、全文を紹介させていただきます。

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                                    平成11年3月20日
平成10年度卒業式祝辞

 卒業生の皆さん、6年間の間に沢山の感動を私たちに下さいまして、本当に有り難うございました。その沢山の感動を置きみやげに、いよいよ卒業ですね。心から御祝いを申し上げます。

 私は、この「感動」という言葉が大好きです。
運動会での見事な面浮流、6年生の皆さんが一生懸命下級生のみんなを、指導してくれたからこそ、あんなにすばらしい踊りが出来たのだと思います。応援合戦もそうです。もうやめたいと思ったこともあると思います。でも頑張ってくれました。

 国見台での陸上大会の見事な活躍、コーラスクラブの美しい歌声、バスケットボール大会での見事なわざ、ありがとう集会での心温まる御礼の言葉、立つ鳥運動での朝の挨拶、先日この体育館で行われた手作りの謝恩会、多くのお父さんお母さんが涙していました。
 挙げればきりがありません。みんなみんな感動です。本当にありがとうございました。

皆さんは、先生方の指導を受けながら、自分たちの力で楽しい学校、思いやりのあふれる学校を創ってきました。
そのおかげで、こんなにすばらしいI小学校がここにあります。

 その自信と力をいつまでも持ち続けて下さい。そしたら楽しい中学校生活が送れると思います。今、皆さんの心の中では、中学校に入学したら、あれもしよう、これもしようと胸を膨らませていることと思います。その反面不安も有るかもしれません。
しかし皆さんなら大丈夫です。

 私も皆さんといっしょに卒業して、また皆さんが少しでも中学校生活が楽しく送れるよう、お手伝いをさせていただこうと思っています。
ここに出席して頂いている、お父さんお母さん初め、すべての大人の人が皆さんを見守っています。
「大空を飛ぶ鳥は、自分の力で羽ばたかないと、飛ぶ事ができません」皆さんも自分の力で自信を持って羽ばたき、飛んで下さい。私たち大人は手伝う事しかできません。

 保護者の皆さん、本日は本当におめでとうございます。私も皆さんと同じ立場のものですから、挨拶をどのようにして良いのか非常に困っています。
 ただ、育友会活動に関しましては、皆さんのご理解とご協力のおかげで、大変有意義な活動が出来ました。この場を借りて、心から御礼申し上げます。
 6年間の間には色々なことがあったと思います。思い出は一人一人違う訳ですが、私は皆さんからすばらしい友情を頂きました。この友情はこれからの私の宝物です。本当に有り難うございました。

 それから、こんなにすばらしい子ども達に育てて下さいました先生方に、心から感謝申し上げます。役目柄、学校にはよく足を運びましたが、一人一人の先生が一生懸命に子ども達を指導していらっしゃる姿を見てきました。こんなにも、すばらしい先生方に巡り会った子ども達、そして私を含めて保護者の皆さんは、とても幸せだったと思います。ありがとうございました。小学校は卒業しますが、これからも親子共々ご指導をよろしくお願いいたします。

 最後になりましたが、本日ここにご出席の皆さまの、ご多幸を祈りつつ、簡単措辞ではございますが、御祝いの言葉に代えさせていただきます。ありがとうございました。
                                                   伊万里小学校
                                          育友会長  立川荒雄




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PTA活動の中での一部として卒業式の祝辞を掲載させていただいていたのですが、掲載から数年が経ってもお読みいただいているようですので、啓成中学校での卒様式祝辞を追加で載せさせていただきます。

平成12年3月14日
啓成中学校卒業式祝辞

卒業生の皆さん、そして保護者の皆さん本日はご卒業誠におめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。

PTA新聞に皆さんの思い出・感謝・夢の言葉が載っていました。修学旅行・運動会・クラブ活動・文化祭そして沢山の友達との出会い。今皆さんの頭の中には、走馬灯のようによみがえっていることと思います。私が一番印象に残っているのは運動会です。その中でもクラスが一丸となって走ったムカデ競争。あれこそ心が一つにならないと一歩も前へは進めません。私はそれを見ていて、「あ!この子達は大丈夫だ」と思いました。
去年の四月は不安の中での船出でしたが、運動会が終わってみて私が思ったことは、西武の松坂大輔君の言葉を借りれば「自信から確信に」変わりました。
そしてその通りに生徒会を中心に「啓成維新」のスローガンの下、啓成中学校の再出発にふさわしく素晴らしい一ページを作ってくれました。これは皆さん一人一人が啓成中学校を少しでも良くしていこうという心が一つになったからこそ出来たのだと思います。

皆さんは、学校に感謝し、先生、家族、友達に感謝して「ありがとう」と書いていました。
私は今ここでPTAを代表しまして、皆さんに「ありがとう」と感謝の言葉を贈りたいと思います。本当にありがとうございました。
私は、ここに居る皆さんの後輩たちとこの啓成中学校に残ります。そして皆さんが残してくれた素晴らしい一ページを在校生と共に啓成中学校の伝統にしていきたいと思います。
「啓成中学校はすごかね」「啓成中学校ば卒業して良かったね」とみんなから言われるように、がんばっていきたいと思います。

色々な夢も書いていました。美容師になる夢、小説家になる夢、億万長者になる夢。
夢が実現するように、私の好きな一つの言葉を贈りたいと思います。新聞にも書いていましたが、「比べて悲しめば自己を見失う、比べて喜べば他を傷つける」「もし比べるとしたら昨日の自分と比べよ」と云うことです。
夢を実現させるためにはいろんな困難が待ち受けています。他人をうらやんではいけません、他人に誇ってもいけません、あくまでも自分と戦い一歩一歩前進してください。それが成功への道につながると思います。
十年後二十年後夢を実現させて、あの雪の降りしきる中で植えた桜の木の下にみんなみんな集ってください。

さて、保護者の皆さん、PTA活動では大変お世話になりました。最上級生の保護者としてリーダーシップを取っていただきとても活発な活動をすることができました。時には無理なことをお願いしたときもあると思います。しかしいやな顔ひとうせず本当に積極的に協力してくださいました。この場をかりまして、心から御礼を申し上げます。ありがとうございました。
出会いがあり別れがあると申します。でも私は出会ったら本当の別れと言うのは無いと信じています。必ずどこかで結ばれています。

最後になりましたが、子供たちのますます健やかな成長と、本日ご出席の皆様のご多幸を祈りつつ簡単ではございますがお祝いの言葉といたします。
ありがとうございました。

伊万里市立啓成中学校
PTA会長 立川荒雄

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平成13年3月13日
啓成中学校卒業式祝辞

卒業生の皆さん、そして、保護者の皆さん本日は、ご卒業誠におめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。
私は皆さんとは2年間共に過ごしてきました。皆さんが1年生の時、小学校から見ていました。啓成ではいろんなことがあっていました。そして昨年度、「啓成維新」のスローガンの下で、この中学校は生まれ変わりました。皆さんが3年になった今年度は「創世記」のスローガンの下、見事に先輩の意思をついですばらしい学校にしてくれました。本当にありがとうございます。
皆さんとの思い出はたくさんあります。
文化祭では、皆さんが演じる劇を見て、「みんな社会をしっかり見ている」と、つくづく感心しました。また、あの長いセリフを、すべて自分たちで考えたと聞いてびっくりしました。とても大変だったと思います。でも、反省の言葉に「つらかったけど、やり遂げたときはとてもうれしかった」とありました。その感動こそが、これから生きていく上でもっとも大事だと思います。
運動会で、2年生1年生をまとめてリードしていくことも、大変だったと思います。
でも、その経験は必ずこれから役に立ちます。経験は宝です。これからもいろんな経験をして、宝物を増やしてください。
まだまだたくさんありますが、言い尽くせません。
先日こんな言葉に出会いました。
「雨にもまけて 風にもまけて でも 自分に負けず 毎日を生きる。」「迷ったら 歌を歌い、悲しかったら 空を 仰ぎ 漫才のネタでも考えて 笑っちゃいましょう。」「素敵な夢に向かって」
この言葉に出会ったとき、自分もこんな人間になれたらいいなと、心から思いました。こんな人間は、外から見たら、何の悩みも無く楽しい人生に見えると思います。
でも、自分に負けずに毎日を生きることこそ、最も難しいことです。
去年の12月に見た映画「友情」の中で、白血病に侵された少女が、治療のために髪の毛が無くなったとき、クラスのみんなから旅行に誘われました。その時彼女は迷いました。でも、自分に勝って勇気を出して旅行に行ったのです。そこに待っていたのが、男も女も丸坊主になったクラスメートでした。クラスメートもすごく迷ったと思います。でも、心の中で歌を歌い体で友情を表現したのです。彼女のために坊主になってやったのだと、恩を着せる様子もなく、みんなニコニコと笑っていたのが、少女の心を救ったのだと思います。皆さんも、そんな友情を育ててください。
ここで、先日紹介した格言の一つを、もう一度紹介し、皆さんに贈りたいと思います。
「友情は喜びを2倍にし、悲しみを半分にする。」(シラー)

さて、保護者の皆さん。これまでPTA活動に、ご理解いただきご協力を賜りましたこと、心から感謝いたします。この場をかりてお礼申し上げます。子供たちにとっても皆さんにとっても、激動の3年間ではなかったかと、お察しいたします。皆さんが築いてこられた啓成中学校のすばらしいところを受け継ぎ、もっともっと多くの方に愛される、学び舎にしていきたいと思います。学校を離れられても、これまで同様ご支援を賜りますようお願いいたします。
最後になりましたが、子供たちの、ますます健やかな成長と、本日ご臨席の皆様のご多幸を祈りつつ簡単ではございますがお祝いの言葉といたします。

伊万里市立啓成中学校
PTA会長 立川荒雄

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平成14年3月15日
啓成中学校卒業式祝辞

卒業生の皆さん本日は誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。
今日私は皆さんの仲間として、先輩として少しお話をさせて頂きます。
私は皆さんが啓成中学校に入学してきた年に、PTA会長を仰せつかり3年間皆さんと共にこの啓成中学校を見守ってまいりました。

振り返りますといろんなことがありました。皆さんは小学校を卒業するとき、小学校の先生方と一つの約束をしてきたと思います。それは、啓成中学校を自分たちの代に立て直しにすばらしい学校にするということです。
途中で少し心配したときもありましたが、その約束を見事に果たしてくれました。
ある学校の保護者の方が「啓成中学校はようなったね・・・うちの子も啓成にやりたか・・」とこんな声を私は耳にしました。この言葉が全てを物語っていると思います。私はこの言葉を聞いたとき胸が熱くなる思いがしました。これは皆さんが一生懸命頑張った結果です。
生徒会活動のスローガンで1年目が「啓成維新」2年目が「創世記」そして3年目が「絆」この3つのスローガンが示すとおり着実に変化をして来ました。
運動会で見せてくれた硬いチームワーク、部活動で一生懸命やった結果として残してくれたすばらしい成績、文化祭での生き生きとした劇の発表、また、やればできると言うことを示してくれたバザーでの活躍、その益金で運動場に作ってくれたバスケットボードは皆さんの心を受け継ぎ後輩たちを見守っていくことと思います。
在校生の皆さんは先輩たちの意志を受け継ぎもっともっと上をめざして日本一行きたい学校の伝統を築きあげて頂きたいと思います。
私は3年間皆さんの仲間として過ごしてきたことを誇りに思います。そして、先輩として皆さんに心から感謝いたします。
おそらく他の方々も同じ思いではないかと思います。
そこで、突然ではございますが、ご出席の皆さんにお願いがあります。3年間頑張って約束を守ってくれた卒業生のみんにここでねぎらいの拍手をお願いできないでしょうか。よろしくお願いします・・・・・・・・・・ありがとうございました。
皆さんは約束を守ることの難しさや、約束を果たしたときの歓びを、身を持って体験したと思います。
私はこれまで皆さんに色んな言葉を贈ってきました。今日はマレーシアの格言を贈ります。“水牛は紐でつながれる 人間は約束でつながれる。”
もうひと言みんなに仲間として心から「やったね!」というエールも贈らせて頂きます。

さて、先生方そして保護者の皆さんおめでとうございます。
皆さんの心の中にも楽しかったこと悔しかったこと色んな出来事が思い出されていることと思います。
PTAでは両親・先生・子供・地域の皆さんこの4者が、それぞれお互いを認め合い・語り合い・分かち合うことを目標に「PTC2」運動をこの3年間展開してきましたが、皆さんのご理解とご協力のおかげで、実りあるPTA活動ができました。時には皆さんに失礼なことを言ったこともあったと思います。しかし、広い心で温かく見守っていただきましたことを、この場をかりましてお礼申し上げます。
特に先生方には大変なご苦労をおかけしました。本当にありがとうございました。教育が大変難しい時代ではありますが、これからもよろしくお願いいたします。

最後になりましたがご臨席の皆様のご多幸を祈りつつ簡単ですがお祝いの言葉に変えさせていただきます。

伊万里市立啓成中学校
PTA会長 立川荒雄


  


2012年07月30日

どうしよう

【PTA奮戦記】№12

ーーーー荒れた中学校をどうするーーーー

荒れている中学校は、根本的な解決はなされないまま、月日は経ち卒業が間もなくと言うころ。

中学校の役員さんから、PTA会長になってくれと要請があった。いくらなんでもいきなり会長は無いだろうとお断りしたが、何度も訪ねてこられ根負けしてしまい、会長を受けることにした。

しかし、不安もあった。中学校はI小学校だけが進学していくのではなく、二つの小学校から行くのだ。だから、もうひとつの小学校の保護者がどう考えているかが気になっていた。
もうひとつは、教育委員会に小学校の役員にも関わらず、中学校に対して抗議に行っていたので、校長先生はじめ教職員達がどのように受け入れてくれるのかも不安だった。

そうこうしているうちに、4月1日になり、先生方の人事発表をみて「どうしよう」と考え込んだ。これまでの校長先生がそのまま残られるようだ。

意を決して、学校に挨拶に行った。ちょうど校長先生もおられたので二人で話す時間を頂き、30分程度お互いの考えを述べあった。

このとき分かったことは、校長先生は非常に真面目な方だと言うこと。ただその真面目な上司に職員がついて行っていなかったことが分かった。
「立川さんが学校に対し強く言ってこられたので助かっていました」と自分の指導力不足を吐露された。
先に教育委員会に対し、校長はうそつきだと言ったが、やろうと試みられたが、結果的に約束が果たされなかったのだ。

正直な先生に、私はこの先生だったら上手くやっていけると確信した。
どことなくぎこちない時間ではあったが一緒にこの学校を良くしていきましょうと握手をして別れた。
  


2012年07月31日

入学式祝辞

【PTA奮戦記】№13

ーーーー 荒れた中学校をどうする ーーーー

入学式の日を迎え次のような祝辞を述べました。

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啓成中学校入学式祝辞

新入学生の皆さん、そして保護者の皆さん、本日はご入学誠におめでとうございます。心から御祝いを申し上げます。

 さて、突然ですが生徒の皆さん、「夢生橋」(ゆめおいばし)と言う名前の橋をご存じでしょうか。夢が生まれる橋と書きます。その橋は、市民会館の側にあって脇田川に架かっている小さな橋です。

 私事で大変申し訳ありませんが、実はあの橋の名付け親は私です。たまたま私が応募した名前が選ばれたわけですが、なぜ「夢生橋」と名付けたかと申しますと、多くの伊万里の人たちが集まる市民会館の側にある橋ですから、皆さんの夢が生まれ、夢が実現するようにと願って付けた名前です。

 私はあの橋を通るとき自分の夢について振り返ることがあります。大きな夢、小さな夢、何十年も先の夢、数年後の夢、夢にはさまざまなものが有り、夢があるからこそ生きていけるのだと思っています。

 先日ふと考えました。PTAの役員をさせてもらったときの「夢」は何だろうと言うことです。K中学校を少しでも良くしたいと何となく思っていたわけですが、良い中学校とはどんな学校でしょう。
とても一言では語られませんが、多くの人に認められる事が一つの大きな条件になると思います。

 一人一人の人間もそうです。尊敬できる人間は、間違いなく多くの人に認められています。
皆さんが好きな人間、尊敬している人間、歌手でも俳優でも良いです、歴史的な人物でも良いです、色々な人がいると思いますが、そのすべての人が沢山の人に認められていると思います。

そのように、啓成中学校も沢山の人たちに認められる日本でも有数の学校になることを夢見ています。

 そこで、私はまずこの中学校内で、今までよりももっともっとお互いが、認めあえる学校になればいいなと思っています。生徒同士が認め合い、大人同士が認め合い、大人が子供を認め、子供が大人を認める学校を創りたいと思っています。皆さんと共に。

それが出来たときにK中学校全体が、楽しく活気に満ちた、社会から認められるすばらしい学校になると思います。

 さて、保護者の皆さん、改めておめでとうございます。何事にも非常に感じやすい年齢の子ども達です。不安もありますが、期待も大きく膨らんでおられることと思います。子ども達の夢、そして私達の夢が実現するように、皆さんと共に、一歩一歩進んで行きたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。

 先生方におかれましては、教育が大変難しい時代の中にあり、並々ならぬご苦労もあろうかと思います。
「真の苦しみを知った者だけが、真の喜びを味わうことが出来る」と思います。
私はもちろんですが、保護者の皆さんも、先生方と共に苦しい時を乗り越えて、真の喜びを味わいたいと思いますので、子ども達共々よろしくお願いいたします。

 最後になりましたが、ご臨席の皆様のご多幸を祈りつつ御祝いの言葉に代えさせていただきます。
                                             
 平成11年4月8日
 伊万里市立啓成中学校
 PTA会長 立川荒雄
                                            
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PTA活動の中で入学式の祝辞を掲載していたのですが、数年たってもお読みいただいているようですので、追加して他年の入学式祝辞を載せさせていただきますので参考になれば幸いです。


<啓成中学校入学式祝辞>

新入生の皆さんそして保護者の皆さん本日はご入学誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。

今年も皆さんの先輩たちが植えてくれた記念樹の、桜の木が美しい花を咲かせ皆さんが入学してくるのを、首を長くして待っていたようです。
待っていたのは桜の木ばかりではありません。私も、先生方も、そして、2年3年の先輩たちも皆さんが来るのを心から待っていました。本当にようこそ啓成中学校へ・・。

私は2年前に啓成中学校に来て、「多くの人に認められる、明るく活気に満ちた素晴らしい学校を作り、日本一行きたい学校、日本一行かせたい学校にしましょう」と、ここにいる2年生3年生そして卒業していった先輩たちに呼びかけました。

そしてその先輩たちは着実にその夢に向かって、突き進んでいます。
特に部活動はそれぞれの監督の先生を中心に、活発に一生懸命頑張っています。

そして先輩たちは見事に素晴らしい第一歩を踏み出してくれました。中には多少やんちゃな子もいました。でも心はみんなけがれなく美しい人間ばかりです。
そんな先輩たちと一緒に、自分を磨き、はちきれんばかりの青春の思い出をたくさん作って、もっともっと素晴らしい学校にしていってください。

勉強やスポーツを学校生活の中でやっていくとき、或いは社会生活を送るとき、一つだけ皆さんにお願いがあります。
それは、「強い人間が優しくなってください」と言うことです。勉強に強い人は勉強が不得意の人に教えてやってください。部活でスポーツをやっている人で、レギュラーは補欠の人を思いやり、感謝することを忘れないでください。
そして、やってはいけないことは「いけない」とはっきり言える人間になってください。それが本当の強さであり優しさだと思います。
私は皆さんを信じています。

さて、保護者の皆さん、本日は親として子供に託す夢と希望、そして少しの不安が入り混じっているのではないでしょうか。
「子供は地球の宝と申します。」その宝を多くの仲間と一緒に大事にし、心の中から光り輝く人間なるよう成長を見守り、成長の手伝いをしていきたいと思います。

その一つの活動としてPTA活動があります。これから皆さんには色々とお世話になると思いますが、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

先日、校長先生・教頭先生とお話する機会があり、職員室を訪れたのですが、先生方がとても明るく生き生きとした感じを受け、思わず顔がほころんでしまいました。
あの明るさはきっと子供たちに伝わっていき素晴らしい学校になっていくと思います。教育が大変難しい時代です。その中心にいる先生方には最もご苦労をおかけすることと思いますが,よろしくお願いいたします。

さて、最後になりましたが本日ご臨席の皆様のご多幸を祈りつつ簡単ではございますがお祝いの言葉に代えさせていただきます。
ありがとうございました。

平成12年4月10日  
伊万里市立啓成中学校
PTA会長立川荒雄
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2012年08月01日

くわえ煙草で登校

【PTA奮戦記】№14

ーーーー 荒れた中学校をどうする ーーーー

いよいよ始まりだ。これまではある意味外からの活動だったが、これからはまさに自分のこととして取り組まなければならない。

“学校は先生で良くもなるし悪くもなる”“その先生を支えるのは保護者”と言うのが私の基本的な考えだ。

先にも述べたが、PTAは先生方が働きやすい環境作りに取り組むことがあるべき姿と思っている。そのことをきっちり抑えながらのPTA活動に入った。

その時点での、学校の状況は前年より少し改善しているように見えた。一番荒れていた学年が卒業したためと思える。

ただ、服装は乱れ、髪は茶髪が相当数いたし遅刻者も多かった。喫煙は蔓延していて先生方が毎日校内を周り一日に何十本と拾い集めていた。登下校の時も喫煙していた。

あるとき、私の近所の老人から「K中の生徒は朝からくわえたばこしながら行きよるばい」「おまえが会長になったのなら、はよう辞めさせんば」と苦言を呈された。私はちょっとムッとして「生徒が悪いことしていたら注意してくれんですか」と言ったら、すかさず「えすうして(こわくて)言わるんもんか」と切り返された。
このことは分からないでもなかった。先に書いたように、家内がいじめの現場に駆け付けた時恐る恐る近づいたのも事実だった。
  


2012年08月03日

PTC²(ピー・ティー・シーツウ)運動

【PTA奮戦記】№15

ーーーー 荒れた中学校をどうする ーーーー

そのような状況下でPTA活動をどう取り組んでいくか。
役員会を前に活動計画を作った。
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平成11年度  活動計画(案)

1.本年度の方針

  ① PTA会則の目的(第2章・第2条)の下に諸活動を行う。

  ② 会員の意志・意見が反映できるよう諸機関が連携し活動する。

  ③ 家庭・学校・地域社会の連携を深める。

  ④ 各委員会・分会活動の活性化を図る。

  ⑤ 学校の教育方針に積極的に参加協力する。

  3つの約束 ○命を守る 校是 ◇みんなで創る
    ○人権を守る   ◇みんなで伸びる
    ○時間を守る   ◇みんなで喜ぶ


2.本年度の努力事項
    スローガン 認め合うP・T・C²(ピー・ティー・シーツウ)
  P:Parents(両親)  T:Teacher(先生)   
  C:Child(子供)   C:Community(地域社会)
  すべての人がそれぞれを認め合い楽しく活気に満ちた学校づくりを目指す。

  ① 会員の自己研鑽を推進する。

  ② 挨拶運動の継続・推進を図る。

  ③ 生徒が、安全に学校生活が送れるように環境づくりを推進する。

  ④ 各委員会・分会は会則の下に自主的かつ積極的に活動する。


ここで私が最も重要視したのが“PTC²” (ピー・ティー・シーツウ)運動の展開だ。
その年度のスローガンを【認め合うP・T・C²】とした。

入学式の祝辞でも触れていたが、Parents(両親)Teacher(先生)Child(子供)Community(地域社会)それぞれが、認め合うことがまず前提にならないと、先へは進めないと考えた。

当時、親は先生が悪い、先生は生徒が悪い、生徒は先生が悪い、地域は学校や生徒が悪いと相手のことを認めず攻め立てることばかり言っていたような状況だった。

この運動の校内での啓蒙活動はもちろんだが、PTAと地域社会が係わっている会合などでも積極的に運動の趣旨説明をしていった。

  


2012年08月09日

いじめが起きた

【PTA奮戦記】№16


ーーーー 荒れた中学校をどうする ーーーー

数か月が経ち、私自身も中学校に少しずつなれてきた。新年度で先生方もある程度入れ替わり、生徒指導に強い先生も赴任してきていたので、先は明るいと見通していた。

そんな矢先、まさかの事態が起きた。いじめだ。

しかも、自分の子供がいじめられているとして、授業中に保護者がいきなり教室に怒鳴り込んで来たのだ。学校側は授業中に保護者が教室に乱入し、先生との小競り合いになったので慌てて、警察に連絡した。
警察が介入し、保護者の事情聴取をした結果、自分の子供がいじめられているので助けるために、そのような行動に出たとのこと。

学校側は早速子供たちに、アンケート調査をし、実態把握にあたった。その結果、いじめがあっていたことが分かった。8名程度の生徒が係わっていた。警察も学校側から乱入で呼ばれているので、実態把握のために、いじめにかかわっていた生徒全員に事情聴取を行った。結果、ここでも生徒たちはいじめを認めた。

私もまさかと思う出来事だった。と言うのも、少し荒れている2年生3年生ではなく、入学したばかりの1年生に起きたのだ。

私には学校側から、乱入の件があったその日の晩に連絡を受けていて、その後の数日間のそれぞれの対応も報告をもらっていた。
校長・教頭・生徒指導・私で話し合った結果、いじめがはっきりした以上は、相手は保護者が入っているので、いじめた側も保護者も含めて、早急に謝罪をした方がいいということになった。
謝罪の場を設けたが全く許してもらえなかった。
  


2012年08月10日

保護者の要求は・・・

【PTA奮戦記】№17

ーーーー 荒れた中学校をどうする ーーーー

PTAとしては、いじめられた生徒をどう守るか、いじめた側の生徒には今後しないようにどう指導するか、また、他にいじめが起きないようにするにはどうしたらいいかを中心に考え行動し学校側にもそれを求めた。

学校側も見逃していたことを認め謝罪し、いじめられていた生徒については学校が責任を持って守ると約束してくれた。また、今後起きないように学校全体で生徒たちを見守り、昼休みなどは、積極的に先生は生徒の中に入り、目配り心配りをすると。

法律で裁かなければならないような事案は別だが、ここでどの程度のいじめだったかを述べることはできない。ただ、幸いなことにいじめられた生徒は一生懸命頑張って学校には登校していた。

私は、学校と保護者の間に入って、和解に向けて努力したが、力及ばなかった。

保護者の要求は、いじめた側は普通に学校に通っていて、いじめられた側はいつもびくびくしながら登校しなければならないのはおかしい。いじめた側を転校させてほしいとの要求だった。

学校側もこれは受け入れることができず、平行線が続く中、保護者の要請で、いじめ相談の窓口を務めていた弁護士も仲裁に入ったが和解には至らなかった。

私は保護者の要求も理解できるし、学校側の立場も理解できた。

2学期になり3学期になっても平行線をたどり、解決しないまま卒業式が来てしまった。校長先生は退職され、教頭先生・担任の先生も移動された。
代わりに赴任してこられたのは、色々な学校で多くの問題を解決してこられた経験豊富な校長教頭だった。
  


2012年08月11日

校長先生の覚悟

【PTA奮戦記】№18

ーーーー 荒れた中学校をどうする ーーーー

次年度も私がPTA会長を仰せつかっていたので、校長先生に挨拶に行ったとき、「学校側で責任持って解決するので、お任せください」と力強い言葉を頂いたので安心してお任せした。

一学期が終わろうとしているころ、校長先生が「立川さん・・・胃の痛かばい・・」ともらされた。私は何とも言いようがなかった。と言うのも私も前年、ストレスで歯茎がはれて食事がまともにできない状態になっていたのだ。

二学期の半ばになったころ、校長先生が、話があると私を呼んだ。
私と会うときはいつもにこやかに、冗談まじりの挨拶をしていた校長先生が、険しい顔をしておもむろに話を切り出した。

「立川さん、いじめた生徒たちの出席停止処分ばするばい」と。私は、エッと、一瞬耳を疑った。
「今は生徒たちも真面目に学校生活を送っているし、そこまでする必要はないのではないですか」「保護者代表としてそれは受け入れ難いですよ」と返した。

「もっともです」と校長。「もし立川さんたち保護者がこの処分に対して、大きく問題にすれば、私の首は飛ぶかもしれません」と低くしっかりとした声で言われた。

それも覚悟で実行すると決意されていた。

そして「立川さん、いじめた生徒にある一定の代償を払わせるのも、一つの教育だと思います」と。

校長先生の目を見ていたらその覚悟が伝わってきたので「分かりました」「協力します」と私自身も覚悟を決めた。
  


2012年08月16日

校長先生を信じてみませんか

【PTA奮戦記】№19

ーーーー 荒れた中学校をどうする ーーーー


校長先生が覚悟して実施されようとしている処分を、保護者の中で当事者と私だけが知っていればいいという問題でもなかったので、本部役員と学年分会役員を集め会議を開いた。

校長先生にこれまでの流れを細部にわたって報告してもらい、役員の意見を聞いた。私が最初感じたのと同じように、異論が噴出した。一つ一つ丁寧に返答して頂き、会議は2時間を超えた。

私は会の冒頭で役員に、この問題を自分のこととしてとらえ徹底して論議し、十分に理解して頂き、もし、他の保護者から何らかの質問などがあった際は、はっきりと答えられるまでなって頂きたいと言っていた。

とかく聞きかじりで、ありもしない話が面白おかしく伝わっていくのが往々にしてあるので、それだけは絶対に避けたかった。
今回の件が発生した直後に学年分会総会を開いたのだが、残念ながら、とんでもないデマが飛び交ったので、それを消し去るのに大変な思いをしていた。

私はその間ほとんど発言することはなかったが、話が一段落したのを見計らって「みなさん、どうでしょう・・校長先生を信じてみませんか。私もそうですが、皆さんもおそらく自分の首を掛けてまで、問題を解決しようとする校長は知らないと思います」と発言した。

一瞬静まった。

一人の役員が「それでも上手くいかなかったらどうするのですか」と。

すると、他の役員が「1年半もかかって導き出された方法です」「いじめた側の生徒保護者も受け入れているのだから、自分たちは認めて、上手くいくように努力しましょう」と。

誰からともなく拍手が起きた。

校長は「ありがとうございます」と深々と頭を下げた。

ほどなく処分は実行され、校内は何事もなかったかのように平穏だった。ただ、先生方は放課後各家庭を訪問し、その日の授業内容を教えてくれた。

かくして無事和解が成立した。

一人の保護者がわが子を、身体を張って懸命に守ろうとした出来事だったが、多くのことを学ばせてもらった。

時は経ち、その生徒たちの卒業式の日、いじめられた生徒のお母さんが私のところへ駆け寄ってきて「会長さん、色々とありがとうございました」「お陰で息子はOOへ進学も決まりました」と声を掛けてくれた。

私は涙が出そうになるのを抑えて「大した力にもなれず申し訳ありませんでした」「息子さんの卒業そして進学おめでとうございます」と深く頭を下げた。